幼児・児童の保護者5,000人に聞く 親子・夫婦・保護者と先生のコミュニケーション実態調査

子どものことについて、平日に夫婦で話をする時間は15分未満が5割超!
夫の育児参加に不満を感じている妻は約4割。 夫婦の会話が少ないと不満増!
保育の質向上のための“保育の見える化”が家族に与える影響とは?
子どもの園や学校での様子を伝える写真で、親子や夫婦の会話が増え、妻の不満や不安も軽減される!?

このたび、当プロジェクトでは、保育園・幼稚園・認定こども園の年少クラス(3歳児クラス)から小学校2年生までの幼児・児童を持つ保護者5,000人を対象に、『親子・夫婦・保護者と先生のコミュニケーション実態調査』を行いました。この度、その結果がまとまりましたのでご報告いたします。

調査概要

  • 調査対象:保育園・幼稚園・認定子ども園の 年少組(3歳クラス)~小学校2年生の子どもを持つ保護者
  • 回答者数:5,000人(各学齢の保護者 男女500人ずつ)
  • 調査方法:インターネット調査 (調査主体:株式会社フォトクリエイト 調査実施機関:株式会社インテージ)
  • 調査期間:2016年2月10日~2016年2月17日
  • 調査監修:玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 田澤 里喜 准教授 

調査結果サマリー

1.親子のコミュニケーション

  1. 「子どもと話をする時間が足りない」と感じている保護者が7割以上 (73.3%)
  2. 園や学校での出来事や様子について、毎日、子どもに話を聞いている保護者は4人に1人 (26.6%)

2.夫婦の育児に関するコミュニケーション

  1. 毎日、子どものことについて話をしていない夫婦はおよそ半数 (48.3%)
  2. 子どものことについて、平日に夫婦で話をする時間は15分未満が5割超 (55.1%)
  3. 夫の育児参加に不満を感じている妻は約4割 (42.6%)
  4. 子どもについての夫婦の会話が5分未満の家庭では、約6割 (58.3%)の妻が夫の育児参加に不満を感じている

3.保護者と園のコミュニケーション

  1. 7割以上 (74.2%) の保護者が、園や学校での子どもの様子を共有する頻度を増やすことを望んでいる
  2. 保護者が共有を望むのは、「クラス全体の様子や友達との関係など (82.9%)」、「何かに失敗してしまったところ、思い通りに行かずに泣いてしまっているところなど (75.3%)」、「運動会の練習風景や学芸会の舞台裏など、何かをするまでのプロセス (64.8%)」といった日常の様子
  3. 保護者は夫婦共に、園のおたより、連絡帳、先生との会話以外に「写真」で子どもの園や学校での様子を把握している (男性:30.3% / 女性:34.8%)

4.インターネット写真販売サービスの利用とコミュニケーションの関係

  1. 9割以上の保護者は、インターネット写真販売サービスによって共有される写真で、我が子の成長を感じたり (95.8%)、子どもの様子を知る手がかりになっている (92.5%)
  2. インターネット写真販売サービスの利用によって、約半数 (49.7%) の家庭では家族のコミュニケーションに良い変化があった
  3. 家族のコミュニケーションについて多かった変化は、夫婦の会話が増えた(66.9%)、母子の会話が増えた(66.3%)、父子の会話が増えた(57.7%)

監修者のコメント

今回の調査を監修した玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 田澤 里喜 准教授 は以下のようにコメントしています。

1.親子のコミュニケーションについて

今回の調査では、保護者の7割以上が「子どもと向き合って話をする時間が足りない」と回答しています。日々の忙しさから子どもとの会話の時間がとれないと感じる方もいると思いますが、子どもを愛している保護者の方々の気持ちを思うと、足りるということはないのかもしれません。

また、今回は保護者の気持ちを調査しましたが、子どもが親から園や学校の様子を聞かれて、どんな気持ちになるのかということも考える必要があります。もし、不安から尋問するかのように園や学校での出来事を子どもに聞いているとしたら、子どもはますます園や学校での出来事を話さなくなるでしょう。頻度や時間だけでなく、親子にとって「良い会話」はどうすれば生まれるのかを考えながら、子どもと向き合うことが重要です。

その際に、園や学校での子どもの様子がわかる写真などがあると、その写真が切り取った園や学校での出来事について子どもたちの方から楽しそうに話してくれ、親子の会話が弾むきっかけにもなるのではないでしょうか。

2.夫婦の育児に関するコミュニケーションについて

今回の調査からは、依然として子育てにおいて夫に対する妻の不満度が高いことがわかります。子どものことについての夫婦の会話が5分未満の家庭では、夫への不満が5割を超えることからもわかるように、妻は話を聞いて欲しいと思っています。

子育てにおいて、夫に対する妻の不満度が高い原因として、父親が仕事で忙しい、妻と夫の意識の違いなどが話題になることが多いですが、父親が子育てについてよくわかっていないことも一因だと考えられます。これは園や学校からの子育てにつながる情報提供によって支援が可能です。例えば、園でどんな保育・育児が行われているかが共有されることで、子育ての方法についての理解が深まり、夫婦の会話の質の改善も見込めるかもしれません。その際に、子どもの様子がわかる写真などがあると、より具体的な子育てについて夫婦で話すことができます。

3.保護者と園とのコミュニケーションについて

今回の調査では、園や学校からの情報共有の頻度や共有して欲しい様々なシーンについて、より一層の共有を望む保護者が多かったのですが、「やや望む」という回答がほとんどでした。これは、現在の園や学校の情報共有にあまり大きな改善を期待できないと保護者が感じている表れではないかと感じています。保護者と園のコミュニケーションに積極的に取り組んでいる園では、保育者との対面やクラス便りだけでなく、ブログや園の掲示板、インターネット上での日常の写真共有など、多様な方法で保護者と園が繋がり合っています。

今回の調査では、保護者の側も、従来の共有方法だけでなく、「園の様子を伝える写真」で子どもの様子を把握しようとしていることがわかります。園の様子を伝える写真を含め、いろいろな方法で伝えることで「保育で大切にしていること」が保護者にも伝わり、保護者はそれを家庭での子育ての参考にもできます。 「保育を伝える。可視化する。」ことは、保育者の専門性の一つです。

一方で、保育者の過重労働という現実もあります。日々、働き方や保育の見直し、改善を行っていくとともに、ITや企業が提供するシステムなども活用し、効率化を図ることも必要になってくるでしょう。そして、より積極的に“保育を社会に開く”ことで、子どもや保育に対する社会的理解が進み、保育の質や保育の現状が改善されていく可能性もあるのではないでしょうか。